GOSEA当コンソーシアム会員で、先月末をもって海洋深層水研究所を退官された鹿熊信一郎様(元所長、現研究所主任技師)が、第一著者として書かれた「里海学のすすめ」というタイトルの書籍が先月出版されましたのでご紹介いたします。鹿熊様によると「本のタイトルは堅いですが、内容はとてもおもしろい本になっていると思います。日本の事例5地区のうち3地区(恩納村、沖縄市、白保)はサンゴ礁を扱っています。海外の事例4地区のうち2地区(フィジー、フロリダ)もサンゴ礁を扱っています」とのことです。
【内容の紹介】
人が積極的にかかわることで身近な海を豊かにする「里海」という日本発の発想は、今なぜ世界に広がり、注目されているのか?
沖縄県恩納村と白保、高知県柏島、岡山県日生、インドネシア、フィジー、フロリダなど多彩な里海の事例を通じて、人と海とのつながりを深め、里海を創りだすためのみちすじを考える。
目次
はじめに(鹿熊信一郎)
序章 里海とはなにか(鹿熊信一郎)
Ⅰ 里海概念の意義と里海創生活動の広がり
第1章 里海の概念が世界に与える影響-人類と海洋生態系の調和(マイケルクロスビー)
第2章 里海創生の歴史(柳哲雄)
Ⅱ 直接人の手をかけて生態系機能を高める
第3章 サンゴ礁文化を継承する里海づくり-沖縄県白保(上村真仁・アニークラウス)
第4章 アマモ場を再生しカキを養殖する-岡山県日生(柳哲雄)
第5章 多栄養段階養殖で放棄池地域・沿岸域を復興する-インドネシア・西ジャワ(サコマルスヘンドル・柳哲雄)
Ⅲ 海の資源を豊かにする
第6章 サンゴ礁の資源を守る-沖縄県沖縄市(柳田一平・鹿熊信一郎)
第7章 村人が湖の漁業資源を自らの手で管理する-東アフリカ・マラウィ湖(佐藤哲)
第8章 海洋保護区ネットワークで水産資源を守る-フィジー(ジョキムキトレレイ・鹿熊信一郎)
Ⅳ 人と海のつながりをつむぐ
第9章 モズク養殖とサンゴ礁再生で地方と都市をつなぐ-沖縄県恩納村(比嘉義視・竹内周・家中茂)
第10章 ダイバーと漁業者が協働して里海を創る-高知県柏島(神田優・清水万由子)
第11章 米国のレジデント型研究機関と市民科学者の協働による里海概念導入モデル-アメリカ・フロリダ(マイケルクロスビー・バーバララウシュ)
終章 里海がひらく未来(鹿熊信一郎)
おわりに(鹿熊信一郎)
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■勉誠出版
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