牡蠣の陸上養殖本格化へ!
2016年3月18日、株式会社ヒューマンウェブが4月以降に現在の研究施設を拡大することに伴い、地鎮祭を行いました。 同社は、首都圏を拠点に国内最大手のオイスターバーを経営、展開している企業です。
海洋深層水の菌が少ないという特徴に着目し、「あたらない牡蠣」の生産を目指し、2012年に日本一の海洋深層水の取水量を誇る沖縄県海洋深層水研究所のある久米島に研究施設を設置し研究に取り組んできました。
牡蠣は1時間に20リットルの水を吸い、吐き出して成長していくそうです。 海水の中には生活排水による汚染物質が含まれており、ノロウィルスもその一つに当たります。 しかし、海深くにある海洋深層水には、細菌等の微生物や水質を悪化させる有機物等の汚染物質が、表層水に比べて10分の1~100分の1と少ないことが分かっています。 同社も2006年にノロウィルスの流行を受け、風評被害で消費が落ち込んでしまった時期があったようですが、牡蠣の浄化施設を整備したり、ここ久米島でウィルスフリーの牡蠣の研究を行ったりと消費者へ安全な牡蠣を提供するため様々なことに取り組んできました。
今回、久米島町で取り組んでいる海洋深層水取水量の増量を見越し、世界初の陸上養殖での牡蠣の量産化を目指して設備を拡大することを決定。 地鎮祭当日は牡蠣も振る舞われ、大田治雄久米島町長はもちろん、島内外から海洋深層水関係者や関連企業の要人が多数訪れて祝賀ムード一色となりました。
沖縄のような温かい地域では生産が難しかった牡蠣の養殖が、技術が進み実現が近づくにつれ、海洋深層水の力に大きな可能性を感じずにはいられません。 今後更に様々な分野で多くの研究が進み、産業が拡大していくことでしょう。
海洋温度差発電をはじめとした海洋深層水の利活用に今後も目が離せません。
沖縄タイムスの記事でも紹介されているので、下記リンクからご覧ください。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=159290